なんでやねん日記

なんでやねんです

高知に行ってきた

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学生時代、同じ居酒屋でバイトしていた友達の結婚式に参列するため、高知県に行ってきた。高知に行くのはこれが初めてだった。結婚式前日まで、台風27号が世間を騒がせていて、しかも速度が遅く停滞しがちということで、公共交通機関は動くのだろうか、そもそも結婚式は開催されるのだろうか……とひやひやしていた。わたしがあれだけひやひやしていたので、式を挙げる友人はもっとひやひやしていたことだろう。

高知にはJRの夜行バスで向かった。途中、何度かバスの揺れで目が覚めたので、きっと風が強かったのだと思う。日の出前に高知駅につき、眠たいのでネットカフェで休憩し、結婚式仕様の髪型と化粧をして外に出たら、前日までの悪天候が嘘だったかのようにすかっと晴れていた。友人の人柄を表すかのような、ほんとうに気持ちのよい青空だった。荷物が多いから……とカメラを持ってこなかったことを後悔した。

結婚式はとても豪華で、地域色がぞんぶんに出ていた。高知は「皿鉢(さわち)料理」といって、大皿の料理を大勢で囲む習慣があるらしい。洒落たハウスウェディングで尾頭付きの巨大舟盛りが出てくるとは思っていなかったので驚いた。でも一番驚いたのは新郎がカツオのタタキを炙ったことだった。遠方からの来賓が多いから、ということで新郎のお父さまが希望したらしい。洒落たハウスウェディングの庭で煙がもくもくとあがる様子はなかなか異空間だった。司会が何度も「煙が会場に入るので庭に通じるドアをお閉めください」と呼び掛けていたのも味わい深かった。

結婚式はスムーズに終わり、一緒に参加した友人と高知観光に出掛けた。はりまや橋のあたりをぶらぶら歩き、土佐和紙のお店にいったりした。

高知は、路面電車が走る街だった。東西の路線は「ごめん線(後免線)」というらしく、「ごめん」とかかれたヘッドマークが胸きゅん案件だった。香川もそうだったけど、四国って道が広いし無茶苦茶な運転する人がすくない。車がのびのびと走っていて、その横を路面電車が並走していた。とてもよかった。

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夜は高知に何度も行っているという知人に教えてもらった居酒屋へ。結婚式の食事量が多かったため、カツオの塩タタキと砂ずりの串焼きとビールだけ注文した。知人お墨付きだけあって、かなりレベルが高かった。お腹いっぱいなのが惜しくて惜しくて食べられないのにメニューばかり眺めていた。高知滞在中に3回カツオのタタキをたべたけれど、飛び抜けておいしかった。あのお店に行くためだけにもう一度高知行きたい。

お店を出て、ビールを買って、ホテルに戻った。夜、同じホテルに宿をとっていた花嫁が部屋に遊びに来てくれて、30分くらい結婚式と近況の話をした。

結婚式のとき、何か一言声をかけるとぽろぽろ涙が出そうだったので、歓談の時も「おめでとう……」だけ言ってずっと押し黙っていた。一緒に参列した友人には「あんた、泣かへんな」と言われたけど、花嫁は「なんかおとなしかったもんな。我慢してたんやでな、わかったで」と言われた。結婚すると人の心まで読めるようになるようだ。

次の日は、朝7時ごろに起きて一緒に式に参加した友人と朝市に行った。見たことがない野菜や加工食品がたくさん並んでいて、終始興奮しながら散財した。芋の天ぷらと土佐牛のステーキ串と鶏ももの塩串を食べた。ビールがあれば飛ぶように売れると思うのになかった。アルコール類は禁止しているのかもしれない。悲しい。

高いところが苦手だけど、友人がこれから暮らす街だしベタな観光地に行ってみたくて高知城に登った。この日もすごく天気が良くて天守閣からぼーっと空を眺めていた。

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高知城の敷地内には、アイスクリンの出店がたくさんあった。アイス好きとして、アイスクリンは食べておきたいって話を友人にしてたらちょうど目の前にアイスクリンの店が見えたので反射的にカバンから財布を出した。しかし1メートルも離れていない距離で2つのお店が並んでいて、どちらもガツガツ系のおばちゃんが売り子をしていた。おばちゃんは私が財布を手に持っているのを確認したと同時に急に呼び込みに力を入れだした。仕方ないのでどちらか特色のある方を……と思ったらどちらもまったく同じラインナップ、同じ価格だった。おばちゃんの顔まで似ている気がしてきた。どうしようと数十秒迷ったところで横にいた友人が「わたし、ここでは買いたくない……」とぼそっとつぶやいた。一字一句同じ気持ちだったので、もう少し先にあった気の優しそうなおじさんがやっている出店で200円のアイスクリンを平和に買った。たまに同じコンビニが横に並んでいる写真を見かけるけど、あれより無意味な店の出し方だと思う。

地元に帰る友人と別れ、ひとり沢田マンションに向かった。噂通りのすごい場所だった。事前に申し込めばツアーをしてくれたり、写真撮影の許可がとれたりするらしいけれど、前日の夜に行くことを決めたくらいの無計画ぶりだったので、チラシにかかれてた見学ルートを素直にたどった。こんな建物がこの世にあるのかというくらいのカオスっぷりで、ここに住むために高知に移住したいとさえ思った。高知に行く機会があれば、ぜひ訪ねるべき場所だと思う。

帰りもJRのバスで帰った。疲れたけれど、とても楽しかった。

数年前まで海外はおろか国内はおろかほとんど関西を出ないくらいの出不精だったのに、ここ1年いろんな土地に行っている。土地それぞれにそれぞれの特色があって、それはわたしの普段の生活では当然見られないような色で、なんとなく旅が好きで飛び回っている数人の知人の気持ちが分かるような気がした。できれば、日本国内くらいは全制覇してみたい。と考えて日本地図眺めて、日本が意外に広いことに気付いた。