なんでやねん日記

なんでやねんです

2014年面白かったマンガ

昨年に引き続き、2014年に読んで面白かったマンガを並べます。ずっと読んでるマンガで最新刊が2014年に出たものや、気になってたけど今年ようやく読んだマンガとかも含みます。ランク付けというものがとても苦手なので、面白かった順などではなくざっくばらんに並んでいます。(見出しは敬称略)

昨年のエントリーはこちら。

↑のはあまりにまとまりがなかったので、今回は自分なりにカテゴライズしてみました。

【じんわり】

★聲の形/大今良時

よく行っていた定食屋にマガジンが常に3週分置いてあって、溜まる頃に訪れては「聲の形」を読んでいたのですが、引っ越しなどなどで途中からしばらく読んでおらず、改めて単行本で1から読み返しました。ら、最高のマンガでした。

とても話題になった最初の読み切りも読んでいたのですが、正直ピンと来ていませんでした。それが3巻でズドーンと衝撃。まあ話題作だし一応チェックしておくかみたいな気持ちでパラパラと読んでいた自分を殴りたい。ポニーテールの西宮さんかわいすぎてやばい。

中高生時代に周囲の人や出来事になじめず、何かと斜に構えてそんな自分に嫌気がす日々を過ごした人にこそ読んでほしい作品。

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★海街diary/吉田秋生

1、2巻だけ読んだことがあったのですが、大好きな是枝監督が映画化されるということで、改めて最新刊まで読みました。なんというか、気持ちに寄り添ってくれるというか、とてもやさしい作品だな、と。私は長女の幸姉のエピソードがお気に入りで、特に3巻の「止まった時計」の海のシーンがとても好きです。

読むと、苦手な海に出掛けたくなるマンガです。

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★ちひろさん/安田弘之

弁当屋で働く「ちひろさん」は元風俗嬢。男よりも男らしいさっぱりした性格で街の人からとても愛されているけれど、その中にかかえているものはとても真っ黒。辛いことも苦しいことも痛いことも向き合ってなんとか生きてきた人の優しさと冷酷さがきれいに同居していて、とても魅力のある女性として描かれています。2巻の、一人の時間を求める描写がお気に入りです。

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風俗嬢時代のエピソード「ちひろ」も必読(作品としてはこちらが先)。

★ちはやふる/末次由紀

一滴も涙を流さなかった巻がないくらい毎巻泣いています。いやそれにしても26巻はダメだよ卑怯だよあんなの泣くに決まってるじゃないか……!太一杯めちゃくちゃよくて、そこだけぐるぐる読み返してました。そしてその後な……!ああああもう悲しい悲しい……。ちはやたちも、もう3年生。ちはや以外の部員は、かるたを続けることすら難しい季節がやってきたのです。

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★満月エンドロール/野村宗弘

人から勧められて読んだマンガ。野村先生、名前と絵は知ってるけど作品は読んだことないくらいの認識だったのですがこんなに素敵なマンガを書いてくださる方のことを知らなかったなんて……!という気持ち。ある夫婦の「走馬灯」が描かれていて、徐々に真実が明らかになっていくストーリーなのですが、苦しくてやるせない感情と、どこか暖かい感情が絡まっていて、とてもよかったです。

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団地で隣に住む2人の浮気を描いた「うきわ」もよいです。

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★たそがれたかこ/入江喜和

離婚し、実家で耳が遠くなってきた世間知らず母と同居する「たかこさん」(45歳)。ただただ枯れていくだけだった「たかこさん」の毎日が、とある若いバンドマンのラジオと、心地良い酒場のおかげで少しずつ明るくなっていく話。自分にとって「いいもの」を見つけて、それをきっかけに「よくなっていく」描写がすごく魅力的です。

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【わくわく】

★ハイキュー!!/古舘春一

今更ですみませんすみませんすみません「ハイキュー!!」最高ですね……。何もかもがうまいうますぎる。何も心配せずに読めるいい作品です。私はあずまね先輩がとても好みです。

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【壮大】

★アルスラーン戦記/原作:田中芳樹、絵:荒川弘

原作を知らなくて、単純に荒川先生の絵に惹かれて読みました。髭面ゴツイおっさん描かせたら日本一では??????と再認識。戦闘シーンの描写、ゾクゾクします。

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【文学的】

★子供はわかってあげない/田島列島

田島列島先生単行本発売おめでとうございます!!!!モーニングに掲載された読み切り「おっぱいありがとう」がすごくすごくすごくよくて、そのあとすぐ「子供はわかってあげない」の連載が決まって、読んでみたらこれがまたすごくすごくすごくすごくすごくすごくよくて。作品全体に漂っている空気感が心地よい。そんでまた単行本のブックデザインが最高なんだなこれ……。

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★夜とコンクリート/町田洋

短篇集。個人的には「惑星9の休日」より好きでした。一番好みだったのは「青いサイダー」。よいマンガを読んだときと、よい映画を見たときに起こる感情は、とても似ているなあと思う。

★五色の舟/近藤ようこ

異形の"家族"を描いた不思議な話。読み始めてから読み終わるまで本当に何もかもが素晴らしくて、何度もなんども読み返しています。原作は読んだことがないのですが、描写が淡々と繊細でマンガが秘めている表現の可能性の広さを改めて感じました。文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞おめでとうございます。


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★めめんと森/ふみふみこ

発売は2013年、読んだのは2014年でした。ふみふみこ先生のマンガ好きでいろいろ読んでますが、ベスト3に入る良作でした。幼いころに失踪した兄の存在を引きずり、虚ろに生きている主人公「めめ」。人の死が身近に感じられる葬儀屋で働き涙を流していても、どこか空っぽな「めめ」がとても好みでした。死に近い体験を通じて生の実感を得る描写もよかった。若干のあざとさみたいなものも、個人的には許せる作品でした。

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★ハウアーユー?/山本美希

人を狂わせる引き金と、人が狂っていく様子を丁寧に描いていて終始ゾッとしていました。美しい外国人妻と優しい夫、反抗期ながらも愛らしい娘、誰もがうらやむ幸せな家族は夫の失踪をきっかけにあっけなく崩壊。幸せを感じさせてくれる存在だった人間は、自分を狂わせる存在へ変わっていく。ストーリーも、登場人物も、表現も、間も、何もかもが完璧でした。

★水色の部屋/ゴトウユキコ

美しい母に屈折した愛を抱く息子の物語。母が男に襲われている現場を目撃しても、「助ける」より「興奮」が勝る歪みっぷり。思春期、ドロドロ、エロ、自意識、陰鬱。最高に胸糞が悪くて最高。Webマンガサイト「ぽこぽこ」で連載しています。

http://www.poco2.jp/comic/aquaroom/

★夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない/宮崎夏次系

オムニバス。夏次系さんの作品、「僕は問題ありません」が個人的にダメで(すみません)あまり触れないようにしていたのですが、知人に勧められたこちらはすごくよかったです。偏見偏食は本当にダメだなーと反省。特に「リビングで」と「毎日」が好みでした。夫婦とか家族とか、一見安定した愛を育む人たちが気づかないふりしてきたほころびに気づいて乱す様がよい。

【ハラハラ】

★サイレーン/山崎紗也夏

殺人鬼の悪女「カラ」と、彼女の真実に少しずつ迫っていく2人の刑事の話。毎週毎週、連載が楽しみで仕方ないのですが、もう本当ここ数ヶ月はずっとハラハラしていて心臓に悪かった……。いよいよクライマックス。「カラ」の抱えている闇がどこへ向かうのか、最後まで楽しみです。

★刻刻/堀尾省太

1〜2巻だけ読んでしばらく読んでいなかったのですが、完結ということで改めて読み返し。非現実的な世界観の説得力があるマンガだなーと所々で感じます。最終巻の、だんだん気持ちが折れてダメになっていく描写がとてもよかった。結末が綺麗すぎる気もしたけど、それもアリだなと思わせてくれる展開でした。

★累/松浦だるま

去年に引き続き。ずっと面白いのに巻を追うごとにさらに面白くなっていくのすごいし怖い。「野菊」登場でさらにたまらん展開に……。「累」も「野菊」も暗い人生を歩んできているのに、一緒にいるとお互いがお互いを「光」の存在だと感じてしまうところがとても人間的だなーと。

【ほのぼの】

★しらたまくん/稲葉そーへー

週刊ヤングジャンプ公式サイト

『週刊ヤングジャンプ』連載中。高い知能をもった喋れるネコ「しらたまくん」が、高校に通って友達増やしていく話。シャイで照れ屋なしらたまくんかわいいです肉球の匂い嗅がせてください(迫真)


★女子かう生/若井ケン

女子高生版よつばと。


★富士山さんは思春期/オジロマコト

ああああ甘酸っぱい甘酸っぱい……。でもこのマンガを「キュン死」カテゴリーに入れるほど真っ白な心はもう私にはないんだ……。若干のあざとさとか感じるんだ……(それがいいところ)。


【食】

★ラーメン大好き小泉さん/鳴海なる

食マンガほんと多いな~と辟易しながらでも大好きな私です。今年一番好みだったのは「ラーメン大好き小泉さん」。初見が深夜だったのでラーメン食べた過ぎてもだえ苦しみました。読むなよ?読むなよ?夜中に絶対読むなよ?

★だがしかし/コトヤマ

異色駄菓子マンガ。だっ駄菓子は食マンガカテゴリーだから……(震え声)。底抜けに明るいギャグマンガでなんか色々辛くなったときに読むと救われます。いい意味で馬鹿らしくて。


★スイーツ本部長 一ノ瀬櫂/佐々木善章

『モーニング』の電子版「週刊Dモーニング」で連載してるスイーツマンガ。仕事はできるけど見かけはおっかない課長が、家では目尻下げまくってスイーツ作って食べて喜んでいる話。登場人物たちが毎回、スイーツをきっかけに仕事や人生のヒントを得るんですが、そのこじつけ方が絶妙で楽しい。

★もぐささん/大竹利朋

Webの「となりのヤングジャンプ」から紙の『週刊ヤングジャンプ』にお引っ越し。大食いの女の子「もぐささん」と、周りにばれないようにさまざまな大食いテクを披露する「もぐささん」を観察する男の子を描いています。平和。


【女】

★とりかえ・ばや/さいとうちほ

去年も選んだマンガ。ついに話が動いたなーという印象。否応なく「女性」になってゆく沙羅の葛藤と決意が美しい巻でした。


★先生の白い嘘/鳥飼茜

鳥飼先生のマンガ好きで「おんなのいえ」も読んでますが、こちらのほうが好みです。女って何なんだろうなっていうのをこれでもかと突きつけてくる。でも「モーニング・ツー」連載作だし男性でも楽しめる作品だと思います。2巻の萩尾望都先生のコメント痺れたなあ……。

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★東京タラレバ娘/東村アキコ

自分や周りに言い訳ばっかりし続けてたらいよいよアラサー独身いろいろ煮詰まってきた女3人がくだを巻きながらちょっとずつ前向きになる話。これをな、面白いっていうのな、めちゃくちゃ抵抗あるねん。でも面白いねん……。東村先生は天才やと思うねん……。


★ボーダー/渡辺ペコ

大学生の男の子が惹かれたのは、バツイチ年上クール系の美女(元○)。○はもろネタバレになるので一応伏せ字。渡辺先生は社会の大きなテーマをリアルに落としこんで描くのがとてもお上手だなあ。2巻(最終巻)がわりとあっさりしていたのが意外だった。もう少し葛藤があるのかと思っていた。「セックスできるのか?」に悩む姿がよかった。


【サブカル】

★デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション/浅野いにお

知り合いの神に勧められたので読みました。もう随分昔にいにおワールドからは卒業したと思い込んでいましたが、本当によかったなんじゃこれ。いにお流セカイ系。ただしいサブカル。サブカルの中のサブカル。おんたんかわいいよおおおおおおおお。


【キュン死】

★3月のライオン/羽海野チカ

はああああ10巻のれいちゃん愛おしい愛おしい愛おしい愛おしいよおおおおおお。しばらく刊行がなくて、羽海野先生お体大丈夫かしら次はいつ読めるのかしら……としょんぼりしていましたがもう10巻最高すぎる!!!!!!「3月のライオン」10巻を「キュン死」カテゴリーに入れなくて何を入れる!!!!!!ハチクロのときもそうだったけど、予想外の恋愛ルートおっ立てるなあ羽海野先生は。(ちょいちょい兆候はあったけどそんなストレートなラブになると思っていなかった)


★姉の結婚/西炯子

完結ということでまとめて読みました。西先生の恋愛マンガは私達が見たい妄想を「はいどうぞ。あ、もっと美しくしておきましたから」という感じで再現してくださってて最高だなーと……。これが現実であり得ないことなんて私達当たり前に知ってますから。だからマンガで補いたいんです。夢みたいんです。


★魔法使いの嫁/ヤマザキコレ

恥ずかしながらまったくチェックしておらず、「このマンガがすごい!2015」2位受賞を知ったあとに読みました。チセと言われると「最終兵器彼女」を思い出す私ですが、こちらのチセちゃんもかわいいですね……。普段は気だるそうな感情の起伏が薄そうな表情をしているため、照れた顔がより一層かわいいです。ファンタジー系あまり得意でないのですが、とてもよいキュン死マンガとして楽しんでいます。

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こんなかんじでしょうか。カテゴリーによって作品数の多い少ないがバラバラで好みがでますね。


あとは年末に出る「僕だけがいない街」5巻がきっと最高なはず。表紙やばいな……。


来年もマンガ読むぞ。