なんでやねん日記

なんでやねんです

たとえ物語でも

マンガみたいな毎日だな、と常日頃思う。
冗談交じりの会話、突然のアクシデント、一拍おいた後にこぼれる笑顔。
なんて楽しい時間なのだろう。

しかし私は事あるごとに正論を振りかざして、楽しさに水をさしてばかりいる。正論はいつも正しいとは限らないのだ。正論は他人に強要してはいけないのだ。わかっているつもりが、ついつい口から言葉が溢れ出してきて、物語のような世界をぶち壊している。

そんな私につい先日、とても不思議なことが起きた。とあるお店を目指して、何十回何百回と通ったことがあるルートを、いつもの自転車で走っていたときのこと。次の信号を左に曲がれば目的地は目の前、という角を曲がったら、まったく違う道に出てしまったのだ。脳内で予想していた風景とは違う街並みが眼前に広がって、一瞬パニックになってしまった。自転車を止めて、iPhoneでGoogleマップを起動すると、思っていた場所と全く違う場所にいた。「あの郵便局も通ったし、あのドーナツ屋も対向車線側に見えたし、間違いないのに!」と釈然としないまま、とりあえずルートを変更し、目的地に向かった。
帰り際もう一度確認してみたけれど、間違いなく私はあの角を曲がったと思う。勘違いかもしれないけれど、私の中では確かにあの角を左折したのだ。もしかすると、あの一瞬だけ私は、違う世界に足を踏み込んでいたのかも知れない。この世界は巨人が作った箱庭で、私をシルバニアファミリーのウサギみたいにひょいとつまんで別の場所に移動させたのかも知れない。相当バカで夢見がちな妄想だけど、そう考えると楽しくなった。

日々が続く。とてもとても、楽しい日々だ。
マンガだろうが妄想だろうが現実だろうが、ずっと続くのならどれでもいい。