なんでやねん日記

なんでやねんです

「モーニング娘。結成20周年記念イベント 〜21年目もがんばっていきまっしょい!〜」に行ってきた

歌い継ぐ、ことの尊さを感じた公演でした。

アイドルグループがメンバーを入れ替えながら20年も続いていて、今も多くの人が愛していることって本当に奇跡だと思うんだけど、何があったのか20周年記念イベントの会場に選ばれたのは、キャパシティ2000人ほどの会場だった。

案の定、ファンクラブ先行でも一般発売でもチケットは手に入らず、オークションでは最安値が定価の倍に跳ね上がった。好きな女の子に会いたくて日頃頑張って働いているからある程度のお金はあるけど、そのお金は正しく女の子たちのために使うためにあるのであって、不当に利益を得ようとしている人たちの懐にはぜったい入れたくなく、意地でも買わないと決めた。そうして粘っていると、たまたま譲渡ツイートを見かけて、運良く会場に滑り込むことができた。

結果として、この場にいれて本当に幸せだと感じた。熱くて優しい多幸感に包まれるようなイベントだった。

最初は「モーニングコーヒー」。当時は5人だったけど、いまは14人で歌う。20周年を迎える今年、新しい振り付けもついた。でも歌が持つ可愛らしさは変わらない。始まりの曲。

イベントのメインは、ファンからの投票で決まったリクエストランキング曲の披露。全員曲から上位7曲、ユニット曲から上位3曲が選ばれた。

7位は「恋ING」。大事そうに愛おしそうに歌う譜久村聖ちゃんが印象に残っている。当時はA面曲として発表される予定だったけど急遽カップリングになったとのことで、これまで披露されたことがなかった振り付けで踊ってくれた。

6位は「I WISH」。updatedが歌われたけど、たぶん投票数を集めたのは原曲のほうだと推測。個人的には原曲が好きだけど、今のモーニング娘。をアピールしたいという気持ちも分からなくないので、updatedでも気にしないことにしている。

これもとても大好きな曲で、加護亜依ちゃんのささやくようなかわいい声から始まる優しい音楽に、今も昔もいろんな場面で救われた。ここ最近はずっと工藤遥ちゃんが歌っている。加護ちゃんとは違うハスキーで低めの声が特徴的な子で、印象は全然違うのだけれど、どちらも好き。

5位は「シャボン玉」。インパクトのある歌い出しは譜久村聖ちゃん。当時はデビューしたての田中れいなちゃんだった。アイドルグループとは思えないドスの効いた歌声と全身を激しく揺らすダンス。見ているこちらの気持ちも揺さぶられる。

ドラマ「最高の離婚」のスペシャルで、尾野真千子さんがこの曲をカラオケで熱唱するシーンがあって、私はそれがとても大好きだった。モーニング娘。が好きだから人気ドラマで歌われて嬉しい!という思いもあったけど、やさぐれてる気の強い主人公が、カラオケという場所で、自分の気持ちを表現するためにこの曲を選曲したというのが、とてもしっくりきたからだ。同じような立場になったら、私もたぶんこの曲を歌う。そういう「共感」が、モーニング娘。の、つんくの作る曲の魅力だと思う。

4位は「リゾナントブルー」。いわゆるプラチナ期を象徴する一曲。とにかくかっこいいし、みんなの切ない顔に胸がキュッとなる。

この曲の歌詞の言葉遊びが好きで、歌うと本当に気持ちよくなる。落ちサビの「助けて 誰か」は、いつも聞いていて泣きそうになる。それくらい、歴代メンバーみんな、気持ちを込めて歌ってる。

セリフは、尾形春水ちゃん。歌う前に「つんくさんから指名された」というエピソードを披露して、嬉しそうな申し訳なさそうな顔をしていた。はーちん、すぐに自信をなくして自虐しちゃうけど、もっと自信を持って。どんな女の子でも、努力して自信をもって舞台に立てば輝ける場所なんだよそこは。そういう場所に、選ばれて立っているんだよ。

ここでユニットの3位と2位を発表。

3位は「大好きだから絶対許さない」。小田さくらちゃんのデビュー曲「Help me!!」のカップリングで、鞘師里保ちゃんと歌った一曲。歌姫オーディションで加入した実力派のさくらちゃんと、当時エースとして大活躍していた鞘師が、とても美しくハモる超絶技巧派な曲で、ファンの間でもすごく人気が高い。もちろん私も好き。

この曲を歌うのは、もちろん小田さくらちゃん。そしてもう一人は、野中美希ちゃんだった。会場が大きな歓声に包まれた。

2人が歌っているとき、思い浮かんだのは鞘師の最後のソロコンサートで、ゲストとして登場したさくらちゃんと歌った、最後のオリジナルの「大好きだから絶対許せない」だった。ものすごく悲しい気持ちになりながら、でも本当に二人のパフォーマンスがすごくて、泣きながら聞いていた記憶が残っている。さくらちゃん的にはとても思い入れのある曲で、正直相手が変わることに戸惑ったかもしれない。でも、素直に頑張る野中ちゃんを技術の面でも精神の面でも支えていて、そういう関係が見えて、涙が止まらなかった。野中ちゃんはとても緊張していたけど、正々堂々と歌いきっていた。またこの歌が歌い継がれる。それが嬉しかった。野中ちゃん、自信のなさからか、優しい性格からか、はたまた緊張しいからだからなのか、ものすごくテクニックあるのに歌声が細かったりマイクに声が乗らないことがちょこちょこあった気がするのだけど、昨日は本当によかった。印象に残ったメンバーの一人です。

そして。2位は「ロボキッス」。誰が歌うのかは曲名がビジョンに出た瞬間から明確で、思わず大声を出した。普段、大人しめに振りコピしてるだけのオタクなのに、この辺りからなんかすごい声が出てた。

歌唱前のMCから、佐藤優樹ちゃんはテンションがおかしくて、あー本当に緊張してるんだな、というのがわかった。工藤遥ちゃんと歌う、おそらく最後のまーどぅーコンビの、ロボキッス。

以前に歌ったのはずっと前のまーちゃんのバースデーイベント。ステージに二人が残されてフォーメーションを組んだとき、ああ、あのころから本当にたくさんの年月が過ぎたのだな、と思った。一挙一動が愛おしくて、でもこれはある意味「終わり」の象徴なので、楽しい曲なのに涙が止まらなかった。でも、まーちゃんがアドリブでどぅーのお腹突っついたときの反応はめっちゃ面白かった。そういうところが好きなのだ。

最後、髪の毛で表情が見えなかったけどどぅーの肩に頭を預けたまーちゃんが、口角は上がってるけど泣いていることにはすぐに気付いた。まーちゃん、抱きしめたい……と思った瞬間に、ステージ上のイケメンが大きく腕を広げて、まーちゃんを包んだ。そんなの余計泣いちゃうよ。でも、抱きしめられて、まーちゃんは行き場のない思いが落ち着いたみたいだった。これがずっと一緒にやってきた仲間なんだなあと、深い絆を感じた。それにしても、私がくどぅーオタクだったら、あの瞬間に脳の血管2〜3本切れそう。

ここで全体曲に戻って3位、2位、1位の曲を一気に披露。MCで曲名披露せずに進んだから、イントロが聞こえる度に歓声が上がった。

3位は「One・Two・Three」。全体曲の中では一番新しい曲。ライブでも必ずセトリに入る定番曲だけど、最近の娘の象徴ともいえる曲だから、ランクインするのは納得感があった。やっぱり自分たちの曲が入ると嬉しいのかな。心なしかいつもより気合入ってる気がした。

何回も聞いてるはずなのにまーちゃんの「許さない」がなんかすごく良くて「すげえな……」と声に出したのは覚えてる。

2位は「Fantasyが始まる」。個人的には歌詞もメロディーもめちゃめちゃ好きな曲だけど、まさかこんな上位にランクインするとは思わなかった。一時代を築いた道重さゆみちゃんのメイン曲だし、思い入れのある人は多いのだろうなあ。まーちゃんが好きな曲なので、よかったねえという気持ちでいた。

この曲のメインは牧野真莉愛ちゃん。さゆのパートを受け継いでいて、歓声がものすごかった。すごく好きで憧れている人のパートを歌い継ぐことは、嬉しさと一緒にとてつもないプレッシャーもあると思う。さゆの映像をいっぱい見て真似した、とコメントしていたけど、ちゃんとまりあっぽさも出てたと思う。本当に努力家だなあ。もっともっと磨いてほしいから、ツアーでもセトリに入るといいね。

そしてついに1位。ちなみにわたしは「Say Yeah!-もっとミラクルナイト-」に投票した。ご丁寧に「台詞パートは佐藤優樹ちゃんと工藤遥ちゃんに歌ってほしい」と書き添えて。

モーニング娘。の曲、とてもじゃないけど一曲に絞れないほどたくさん好きな曲があって、それぞれに強い思い入れがあるのだけど、投票するなら何かな、と思ったときに浮かんだのが、ミラコーだった。

モーニング娘。の初めてのベストアルバムは、まわりの友達みんなが買っていた一枚だった。でもわたしはお金がなくて、友達に借りたアルバムをカセットテープに録音して、親が運転する車の中でずっとずっと繰り返し聞きながら歌っていた。どれもヒットソング、という収録曲の中で、唯一初めて聞いたのがミラコーなのに、すぐに覚えて大熱唱していた。

耳に残る、思わず口ずさみたくなる曲がモーニング娘。の曲にはたくさんあって、だからこそ、ふとした瞬間によくメロディーが蘇る。へんてこなのに、ついつい歌ってしまう。そんならしさが、一番詰まっている曲がミラコーだと思い、投票した。

ファンの人気は高い曲だけど、しばらく娘の単体では披露してないから最近増えたファンの子たちはあまり馴染みがないだろうし、これまでのランキングの流れで入る気配はまったくかんじなかったし、まさかという感じで1位はなんだろな〜ってワクワクしてた。から、完全に予想外で、鳥肌が止まらなかった。一緒に歌いながらずっと泣いてた。

ものすごく盛り上がって、これユニット1位の発表を後回しにしたのなんでだろう……と思ってたら、まさかの「大きい瞳」で、さゆれなで……。さゆの卒業ツアーでセトリに入ってなくて、もう聴けないのか〜ってしょんぼりしてたら、まさかの3年越しに聴けるなんて、夢にも思わなかった。

さゆとれいなは相変わらずでなんだか時間が巻き戻ったみたいだった。あんなに安心するMCコーナーなかなかないよなあ。

さゆれなと彼と一緒にお店がしたい!を披露したあとは、新曲の邪魔しないでHere We Go!(まーちゃんがちぃちゃんの頰なでる振り付けがゾワゾワする)、わがまま気のまま愛のジョーク、What is LOVE?(今回もまーちゃんのネセサリーは最高でした)と続いてアンコール。めちゃくちゃ盛り上がった。

アンコール明けは浪漫。いい曲だけどなんで浪漫?しかも新曲でもないのにテロップが出てると思いきや「未来にタスキ渡す 正義に迷いはない」の歌詞に特殊効果。20周年は一つの通過点なんだね。

ここで最後のMC。ふくちゃんが泣きながら、モーニング娘。というものの重さ大切さを語った。決して整理されたきれいな挨拶じゃないけれど、どう表現していいかわからない気持ちを丁寧に丁寧に一つ一つ言葉にしようとする姿勢にグッときた。「私たちが今のモーニング娘。です」ということの重さ、そのグループでリーダーとしてメンバーを率いる重さを痛いほど感じるとともに、ふくちゃんのモーニング娘。への愛の大きさも感じた。ちょっぴり自信がなくて話し下手で不器用で、だれよりも優しくて大きな愛で包んでくれる、譜久村聖ちゃんは最高のリーダーです。

最後はやっぱりLOVEマシーンで締め(ただしupdated)。普段はもうラブマはいいよと思うんだけど、こういう節目で聞くとやっぱりいい曲だなあと思う。この曲がないとここまで歌い継がれるグループには決してなってなかったかもしれない。世代を超えて「モーニング娘。になりたい」と思う女の子たちが集まることもなかったかもしれない。こんなに素晴らしいパフォーマンスをわたしは見ることがなかったかもしれない。そう思うと、この曲が持つ(そしていまだ衰えない)パワーを尊敬する。

好きなメンバーが卒業し、その子のパートを新しい女の子が歌い継ぐ。また違った表情を見せながら従来の曲が新しく生まれ変わっていく。でも、根幹にあるものは変わらない。

こんな楽しみ方ができるエンターテインメントは、限られていると思う。その中にモーニング娘。があることが、とても嬉しいし、尊い。

いろんな思い出が詰まったモーニング娘。の曲を、わたしたちはこれからまだ聞き続けられるのだ。なんと幸せなことだろうと思う。

(9月23日から始まるモーニング娘。秋ツアーは20周年に相応しい内容らしいです。気になった方はぜひ足を運んでください!)

http://www.helloproject.com/morningmusume/event/detail/ce5d002a96e6430ad4dc06de88f825d7c31049d7/

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