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なんでやねん日記

なんでやねんです

母校

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週末、地元に帰省したときに通っていた中学校へ行ってみた。中学時代のよい思い出があまりないせいで、卒業したあとはほとんど立ち寄った記憶はなく、実家に帰る途中の国道から遠くに小さく見える校舎を眺めるだけだった。

今回の帰省が決まったとき、なぜか中学時代の記憶がふつふつと湧いてきて、やはり大半は良い記憶ではなかったのだけれど「久しぶりに行ってみようかな」という気持ちになった。

母校は、すでに廃校になっており、数年前にとある工場に買い取られた、という情報はなんとなく知っていた。

駐輪場の横にある階段を上ると、見慣れたグラウンドの上にビニールハウスのような建物が5棟ほど立っていた。赤、青、黃、緑のチームに分かれて競い合った運動会の風景が浮かんだ。美しい椿が咲く木、英語の先生が丹精込めて育てていたアンネのバラ、凶悪な事件が起きたあとに掲示されるようになった「関係者以外の立ち入りを禁ずる」と書かれたプレート。校庭のあちらこちらに、記憶の断片が転がっていた。外から校舎のまわりを眺めていたら、工場で働いている人がやってきた。卒業生と話すと、快く見学を許してくださり、校内にまで入れてくれた。

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古い木で作られた靴箱に、校名が入った緑のスリッパが収納されていた。靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて、やたらすべる廊下の上を歩いた。

コミュニケーションルームとしても使われていた図書室の棚には、少しだけ蔵書が残っていた。読んだ覚えのある本がたくさん並んでいた。あのころ、休憩時間のほとんどを図書室で過ごしていたのだから当たり前といえば当たり前かもしれない。図書カードには、私の名前が残っていた。

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いくつかある教室の2つは、別の会社が事務所にしているようだった。ほかの教室は鍵が開いていて、なかに入ることができた。机や椅子などの備品は処分されていて、ナショナルの電波時計と黒板だけが残っていた。教室のすみに、クラスメイトが書いた別のクラスメイトへの悪口があった。

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いま、このがらんとしたほこり臭い空間に、私が立っていることが不思議だった。ここにいたことは、たしかに私の記憶に残っていて、懐かしいという気持ちも、あのときこんなことがあったというエピソードも湧いてくる。違和感と思い出がごちゃごちゃに混ざった気持ちで、やはり滑りやすい廊下を歩いていた。

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校舎のはずれに、卒業記念で植えた記念樹が残っていた。予想より小さくて、木の世界では、私が卒業した年なんてつい最近のことなのだと思い知った。