初めての梅しごと
先日、いつもの酒屋さんで、日本酒で漬ける梅酒のつくりかたが書かれた紙をもらった。もうそんな季節なのか、と思った。
母方の実家には大きな大きな梅の木がある。誰も何の世話もしていなかったけれど、毎年立派な実をつけていた。母はその梅を自宅に持ち帰り、梅干しや梅シロップや梅酒を仕込む。春から初夏へ季節が移り変わる時期の、恒例行事だった。わたしはいつも、横でぼんやり眺めたり、氷砂糖をつまみ食いしたりしていた。
兄の結婚式で会った母に「梅酒を漬けてみたいんやけど」と伝えると、2〜3日後にはまるまるとかわいらしい青梅が届いた。祖母の家の梅ではなく、地元で採れた無農薬のものらしい。箱を開けた瞬間、果実の甘い香りが部屋にたちこめた。早速、酒屋さんで日本酒を、スーパーで瓶と氷砂糖を買ってきた。
まずは流水でやさしく洗って、汚れを落とす。
水に2〜3時間ほど漬けて、アクをぬく。竹串でへたをとって、よく水分をとる。
瓶に梅と氷砂糖を交互にいれる。甘いお酒が苦手なので、梅1kgに対し氷砂糖は500gいくかいかないかくらいに抑えた。
梅酒専用の日本酒をゆっくりと注ぎ入れる。
このまま冷暗所で保存。半年たったくらいから飲めるようになるけれど、1、2年くらい経ったほうがおいしいらしい。
酒屋さんに聞いて初めて知ったのだけれど、アルコール度数が低い日本酒は本来、果実酒に向かないらしい。今回使用したのは、富久錦の「純米原酒 梅酒用」という、梅酒づくりのために作られたアルコール度数20度の日本酒。そういえばホワイトリカーや焼酎やブランデーで梅酒を漬けていた母も、日本酒に挑戦したことはなかったっけ。
1年待ってみないと成功か失敗かはわからないけれど、現時点でとても満足度が高い初めての梅しごとだった。来年が楽しみ。