なんでやねん日記

なんでやねんです

想像力

 想像力が欠如しているな、と思うことが多々ある。経験を重ねれば重ねるほど、経験値のみで予想を立ててしまって、想像する力が失われていく。

この言葉を発すると相手は気持ちよくなるだろうか。

この行動をとると相手は不快に感じるだろうか。

そんな計算ができなくなる。しなくなる。すべてを過去から積み上げてきた自分の思考の箱の中に収めようとしてしまう。答えを導きだそうとしてしまう。

それはとても怖いこと。相手に向かっているようで、自分に向かっている。

もちろん、想像することだけが正しいとは言えない。想像も度が過ぎると思考のループから抜け出せなくなって自滅してしまう。例え最良の想像ができたとしても、気恥ずかしさや嫉妬心で言動に移せないこともある。

それでも。

想像は、し続けるべきだと思う。自分と、自分に向き合ってくれる人のために。

中学生か高校生のときに遠足で行ったテーマパークで、赤い毛むくじゃらなキャラクターの案内のもと、想像の旅にでるシアターに入った。もう内容なんてほとんど覚えていないけれど、簡単に説明すると、3Dメガネをかけてスクリーンを見つめるとキャラクターが飛びたしてくる。たまに水しぶきや風圧を感じる。そして毛むくじゃらが甘ったれた声で言う。

「イマジネーションだよ!」

と。

特別面白いアトラクションではなかったし、ストーリーの本筋からは離れているけど、なぜかその一言が今でもずっと耳に残っている。そして折に触れて頭の中で繰り返す。

イマジネーション。イマジネーションだよ。