なんでやねん日記

なんでやねんです

彼女が好きなものはイチゴののったショートケーキだった

厄介なのはこの飽き性な性分だ。
雨も飽きたしこの髪型と色も飽きたし手持ちの服にも飽きたし同じ悩みを抱えるのも飽きた。もっというなら、7年目になる黒縁眼鏡にもさして特徴のないこの顔にも飽きている。“飽きた”という言葉がなんとなく悔しいからという理由で飽きていないフリをしているだけだ。芯が通っててしゃんとしてる人でありたいから、揺るぎない自分を演じているだけだ。そんな私を見て「意思が固いね」とか「好きなものが揺るがないってかっこいいね」なんてことを言う人がいる。私は、本当はいつも飽きている。でも飽きたからといって違うものに手を出せるほどの勇気なんて持ち合わせていない。
昔読んだ少女マンガに、好きなものが一貫している女の子のことをうらやましがる女の子がいた。「ああこれ、私だ」と思った。あの描写は数年たった今でも忘れられない。
せめて私がもっと素敵なテキストを綴れる人間だったのなら、こんなしょうもない話も面白おかしく描けるのにな。